2 研究目標
一人一人の児童が音声言語を通して自分の思いを相手に伝える力を高めるための指導のあり方を実践を通して明らかにする |
3 研究仮説
「話すこと」「聞くこと」について一人一人の児童の実態に応じて多様な音声言語の活動を組み入れ,交流の中で互いに認め合える表現活動をしていけば,音声言語を通して自分の思いを豊かに表現する力が高まるであろう。 |
4 研究内容
1)音声言語の活動を組み入れた学習指導の構想 | 2)単元の特性を生かした音声言語の活動の組み入れ方 |
3)音声言語の活動を組み入れた授業実践 | 4)日常の音声言語の活動 |
5 研究方法
1)指導計画の見直し | ・国語科の全領域から音声言語に関わる単元を抽出する。 ・学年間の系統性を考え,授業研究を設定する。 |
2)実態調査 | ・児童の日常生活や学習中の言語活動,また実践活動において「聞くこと」「話すこと」について音声言語の意識調査を行う。 ○実態調査の内容 ・質問紙法(意識調査)・教師の観察(学年毎の主題から観点を設定) |
3)学年毎主題・努力点設定 | ○学年毎の主題と努力点を設定し,系統性を持った指導ができるようにする。 @学年毎主題 ・低学年 尋ねられたことに答えたり,自分から進んで話したりすることができる。 ・中学年相手の話の内容を受けて話題に合わせて話すことができる。 ・高学年相手や場に応じて適切なことばを使い,それらの状況を考えて話すことができる。 ・特殊(情緒) 相手の指示を理解し,答えたり行動することができる。 A学年毎努力点 ・低学年 学級内での話し合いなど発表の場をとらえよりよい聞き方・話し方を意識させる。 ・中学年 学校内での発表の場をとらえ相手を意識した聞き方・話し方ができるようにさせる。 ・高学年 相手の立場を考えた話し方ができるようにさせる。 ・特殊(情緒)日常生活の中で必要な物の名前を言うことができるようにさせる。 |
4)授業実践 | ○各学年で授業実践を行う。事後検討会も全体会として行う。 ○専門部会を設置し,授業研究部と調査研究部がそれぞれ活動を行い全体会で集約する。 ○授業研究部は,授業指導案の形式立案,指導案の検討,授業記録の分析などを行う。 ○児童の変容をまとめる。 |
6 実践活動
1)思い出発表会
7月 9日 | 4年 | 校外学習体験発表 浄水場(登米町) |
7月 9日 | 5年 | 野外活動体験発表 松島野外活動センター |
12月20日 | 2年 | 校外学習体験発表 パン工場,視聴覚センター(佐沼) |
2月29日 | 3年 | 校外学習体験発表 登米町教育資料館・懐古館・警察資料館を見学して |
2月21日 | 6年 | 1年間の思い出発表 1年間の各種行事を振り返って |
1年 | 校外学習体験発表 伊豆沼の野鳥観察 |
2)音読発表会
7月15日 | 1〜3年 | ホール |
4〜6年 | 体育館 | |
12月20日 | 1・3・6年 | ホール |
1月28日 | 2・4・5年 | ホール |
7 研究のまとめ
第2年次の今年度は研究の領域を広げ,物語教材,説明文,詩教材の単元から音声言語の指導を学習過程の中で実践的に追求し,また。音読発表会や思い出発表会を実施し,国語科以外の活動の場でも意図的計画的に指導を行った。
○成果 | ○課題 | |
1)音声言語を組み入れた学習指導 | ・学習過程を工夫し,児童が発表を楽しみながら行える活動を取り入れ,展開することで豊かな表現活動に迫った。 ・学習過程の中にねらいに即した自己評価を積極的に取り入れたことで,児童自身の音声言語に対する関心が高まった。 |
・児童の実態を把握し実態を生かした教材の開発を進めていく。 ・自己評価の分析の方法を検討する。 |
2)単元の特性を生かした音声言語の指導 | ・単元の特性を生かした音声言語の活動を多様に組み入れることができ,児童が楽しみながら音声言語の活動に意欲を持って行うことができた。 | ・児童が身につけた表現力をさらに高めていく方法を探る。 |
3)日常の音声言語の活動 | ・音読集会など継続して行い相互に聞き合う場面を設定したことにより,音声言語について意識が高まり,よりよい発表の仕方など児童自ら工夫するようになった。 | ・発表の後の感想交流での深まりのある支援のあり方を探る。 |